
帯状疱疹は、過去に水ぼうそうにかかった人なら誰でも発症する可能性のある病気です。体内に潜んでいた「水痘・帯状疱疹ウイルス」が、加齢や疲労、ストレスなどによる免疫力の低下をきっかけに再び活動し始めることで発症します。
主な症状は「痛みを伴う発疹」です。皮膚に赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れるだけでなく、ピリピリ、ズキズキとした強い痛みが特徴です。
発疹が治った後も痛みが長く残ることがあり、これを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。この痛みは数カ月から数年続くこともあり、生活の質(QOL)を大きく低下させます。
50歳を過ぎると発症リスクは急激に高まり、80歳までに約3人に1人がかかると言われている、決して珍しくない病気です。
年齢以外にも、特に生活習慣病や慢性疾患をお持ちの方は、免疫機能が低下しやすいため、帯状疱疹を発症しやすいことが分かっています。
| 基礎疾患 | 発症リスク(基礎疾患がない方との比較) |
|---|---|
| 糖尿病 | 約2.4倍 |
| 腎不全 | 約2.2倍 |
| 高血圧 | 約1.9倍 |
これらの疾患をお持ちの方は、予防接種を特にご検討ください。
帯状疱疹は、ワクチン接種で予防できる病気です。当院では、高い予防効果と長い持続期間が特徴の不活化ワクチン「シングリックス」を採用しています。接種回数は2回(2か月間隔)が必要ですが、下記のような優れた特徴が挙げられます。
最近の研究では、帯状疱疹の原因ウイルス(VZV)への感染が、将来的な認知症のリスクと関連する可能性が報告され、VZVワクチン接種歴のある方で認知症の発症率が低下したという報告もあります。
現時点では確実な結論は出ていませんが、「帯状疱疹ワクチンを打つことは、痛みや後遺症を防ぐだけでなく、将来の認知機能を守ることにつながるかもしれない」という可能性も注目されています。
江東区では、シングリックス接種に対し、費用の一部助成を行っています。
当院は江東区の定期・任意予防接種実施医療機関です。
| 種別 | 対象者 | 接種回数 | 当院での自己負担額(1回あたり) |
|---|---|---|---|
| 定期接種 | 65・70・75・80・85・90・95・100歳以上の方(区から予診票が送付されます) | 2回 | 11,000円 |
| 任意接種 | 50歳以上で定期接種の年齢に該当しない方 | 2回 | 12,000円 (助成額10,000円適用後) |
江東区の任意接種(50歳以上で定期対象外の方)の助成は、令和8年3月31日をもって終了予定です。ご希望の方は、お早めにご相談ください。
シングリックスは2か月間隔で2回接種が必要です(最大6か月以内)。
特に秋~冬はインフルエンザワクチンや新型コロナワクチンの接種シーズンと重なります。効率よく予防を進めるため、計画的な接種をおすすめします。
1. 同時接種で来院の手間を軽減
当院では、インフルエンザワクチンや新型コロナワクチンとの同時接種も可能です。来院回数を減らし、効率よく予防を済ませたい方はぜひご相談ください。
2. 接種対象者
3. 予約と必要書類
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 予約方法 | 完全予約制です。必ずお電話または窓口にてご予約ください。 |
| 必要書類 | 江東区の予診票(任意接種の方は区への事前申請が必要です。) |
| 場所 | 船山内科(当院) |
Q1. 副反応はありますか?
注射部位の痛みや赤みが最もよく見られます。その他、発熱や倦怠感が出ることもありますが、通常は数日で自然に落ち着きます。ご不安な点があれば接種時にご相談ください。
Q2. 過去に帯状疱疹にかかったことがありますが、接種は必要ですか?
はい、再発予防のためにもシングリックスの接種が推奨されます。
Q3. 生ワクチンとの違いは何ですか?
シングリックスは不活化ワクチンであり、従来の生ワクチンに比べ、発症予防効果・後遺症予防効果が非常に高く、効果の持続期間も長い(10年以上)ことが大きな違いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 50歳以上の江東区民の方 |
| 医療機関 | 船山内科(当院) |
| 予約方法 | お電話 または 窓口にて承ります。 |
帯状疱疹は、早期の対策が非常に重要です。シングリックス接種で、強い痛みや後遺症からご自身を守りましょう。まずはお気軽にお問い合わせください。